2007年11月30日

一所懸命(ツリーの飾りつけ)

今日、病院の帰りに山形駅に回りました。
JRの職員と思われおじさんたちが、額から汗を流しながら、作業をしていました。
クリマスツリーの飾りつけみたいです。

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Posted by ほんねず at 22:45Comments(1)ご近所の四季

2007年11月30日

貧乏の神と福の神(挿絵)

友人の菊地敏明氏から、挿絵の差し入れがありました(^^V
なんか、ほのぼのしますicon01

貧乏の神と福の神(挿絵)  


Posted by ほんねず at 01:38Comments(0)挿絵

2007年11月29日

うろこ雲

今日の夕方、夕食の買い物に出かけました。
ふと空を見上げますと、空はうろこ雲で一面おおわれていました。
キレイというより、ちょっと不気味な感じがしました。
地震などおきませんように、と、心中で祈りました。

うろこ雲  


Posted by ほんねず at 21:21Comments(3)ご近所の四季

2007年11月26日

七つ滝

先日、六十里越街道の旧道を通りました。紅葉も終盤でしたが、七つ滝の滝壺を初めて見ることが出来ました。ラッキーでした。

  


Posted by ほんねず at 16:19Comments(1)ご近所の四季

2007年11月25日

笠地蔵2 (庄内-方言版)

第二回 (全二回)

「ばさま、帰ったぞ…」
「あれ、まぁ、こうでな(大変な)雪ではんで」と、ばさまはじさまの雪っこはだぎながら、背中さ回ったど。
「じさま、じさま何がいい品、買って来てけだが」
「いや~っ、すまねぇのぉ。」
「なじぇしたのや?」
「実はのぉ、道ばたの地藏さま、雪でさんび(寒い)そうでな、わ(私) めじょげねぐって、つい、売り物のすげ笠、お地蔵さまさつけでやったけ。」
「………」
「いや~っ、すまねぇがった。」
「しぇば、なしてほだなあっちぇくせごどば……
「んだたて………地蔵さまが………。」
「なんぼ地藏さまめじょげねぐっても、晩げは年越し、明日は正月だぁ。おらえの神棚さも仏壇さも、何もお供えするものねぇってのに。」て、 ばさま文句たらたらだっけど。
ふだん、信心深いばさまだっけども、こう言うどぎは、手つけらんね。
じさまはしかたなく、黙って布団さもぐって寝だっけど。
ばさまもそっぽむいで寝だっけど。

……間……

さで、夜中になった。
なんだが外でがさがさ音すっけど。
「昼間のじさまの家どごだっ?」て、声すっけど。
「ここだ。ここだ。」 って言うずど、戸口あける音したど。
「どすん。どすん。」て、今度ぁ、何が落とす音したっけど。
つんぎに戸口しまって、さっさど行ってしまったけど。
じさまどばさま、寝床で顔見合わせで、じさま行って見ろ、いや、ばさま行って見ろ、って、おだがいおっかないもんださげの、ゆずりあったけど。
いづまでも、ゆずりあってでもらちあがね。
じさまは心ばきめで、寝床ば出はって、戸口さ行って見たど。
したば、こりゃ、たまげだ。
米俵に、味噌、餅、塩引き。
大判小判が山積みになったけど。
ばさまも、そっと、じさまの後ついできて、これもたまげだ。
二人ぁ、腰ぬかして、声も出ねぐなったけど。
しばらぐして、じさまがやっと、
「ありゃ、地藏様であんめがの」て………。
ばさまも、「んだの、きっと」て………。
二人、顔みあわせっど、仲良く、餅ごっつぉなっけど。
それがら、二人は長者になって、ケンカもすねで、いつまでもしあわせにくらしたっけど。
とっぴんからりん

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Posted by ほんねず at 13:50Comments(4)山形の民話(庄内方言版)

2007年11月24日

方言ばなじょうして書くが…1

方言は話し言葉です。民話を語り継いできた庶民の話し言葉が方言そのものなのです。それを承知の上で、文字にうつしていく作業は、難しいです。音の問題としてはアクセントやイントネーション、文字には転写できない、微妙な発音の連続です。わたしなりに、工夫して、私なりの表現方法を見つけていけたら、このブログを初めて見て、しみじみ感じているところです。  


Posted by ほんねず at 12:34Comments(0)民話のこころ

2007年11月24日

笠地蔵1 (庄内-方言版)

第一回 (全二回)

「ばさま、ばさま、とんと昔、とんと昔、しゃべてけろ。」
こどもたちの声が寝床から聞こえてくる。
今夜もおばあさんは孫たちにとんと昔を語り継ぐ。
こうして、何百年も人の心のありようが受け継がれていぐんのだろう。


昔、あったっけど。
ある村さ、仲いいじさまどばさま暮らしたっけど。
今年も、身ば粉にしてづんでね(大変)稼いだど。
んだども、ほんげに暮らしは変わらねで、貧乏でのぉ。
もうじき年越しだ。
正月の祝いの品、揃えんなねぇ。
したはげ、じさまは、朝早く、出がげで行ったけど。
夜なべでこしぇだすげ笠、五つ腰さつけて、一つは自分がかぶってのぉ。
その日は大雪で、まだ止まね。どんどん積もってぇ行ぐはんでの、風もふいで、地吹雪の中、歩いで行ったけど。
したば、道ばたさの、地藏さま、さんび(寒い)そうにの立っていだっけど。
そごさ、じさま通りかがったけど。
じさま立ち止まってのぉ、しげしげどぉ、地藏さまば見っだけど。
雪のなが、さんびそうな地藏さま。
じさま、めじょげねぐ(可哀想に)思ってのぉ、腰さつけっだ売り物のすげ笠、
一つはずして、一人の地藏さまさ付けだけど。
じさま、五づ笠もったけがら、五人の地藏さまさ、笠ばつけでやったども、あど一人、地藏さまいだんだな。
じさまは、困ってなんじょがさんなねなと、ちょっとぎ(少しの間)考え込んでの、ハッとしたのや。じさまは、すぐ、わ(自分)の、笠ばやぐやぐ(わざわざ)ぬいで、一人残った地藏さまさつけだけど。
したば、じさま懐がら手ぬぐい出してほっかむりして、お地蔵さまさ、ふかぶかお辞儀して、「まだの~」って、もど来た道帰って行ったけど。
つづく

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Posted by ほんねず at 10:17Comments(0)山形の民話(庄内方言版)

2007年11月24日

笠地蔵2 (庄内-標準語版)

第二回 (全二回)

なぜ、おじいさんは大事な売り物のすげ笠を、お地蔵さまに上げてしまったのでしょうか? それはわかりません。ただ、家で正月の祝いの品を楽しみにまっているはずの、おばあさんの気持ちは、けして忘れてはいなかったでしょう。だって、おじいさんは、道ばたのお地蔵さまよりも、いつも自分のそばにいて、苦労を分け合っているおばあさんに対する気持ちは、やはり大きいはずですもの。

………間………

「おばあさん、帰ったど…」
「あれ、まぁ、大変な吹雪のなかご苦労様でした。さぞ、なんぎであったでしょうの」 と、心配げにおばあさんは、おじいさんの背中にまわって雪をはたいてくれました。
「おじいさん、何がいい品、買って来てくれたがの」
「いや~っ、すまねぇのぉ。」
「………」
「実はの、道ばたのお地藏さまがの、寒そうでの、わ(私) めじょげねぐって(可哀想で)の、つい、売り物のすげ笠ばの、お地蔵さまさつけでやったけ。」
「なしてほだなぁ………」
「………」
「しぇば、あっちぇくせごどば(ばがくさいごとば)…… なんぼお地藏さま、めじょげねぐっても(可哀想でも)、晩げはお年越、明日は正月だぁ。おらいの神棚さも仏壇さも、何もお供えするものねぇってのに。きゃわりったら(困ったな)、なじょしたらいいがの。わ(私)は、しゃぁねぇがらの。」と、おばあさんは、怒って泣きながら、にあわない文句を言いました。
ふだん、おだやかで信心深いおばあさんでしたが、こう言うときは、手をつけられません。
おじいさんはしかたなく、黙ってすごすごと、そのまんま布団にはいって寝てしまいました。おばあさんも、ひとしきり怒り終えたら、そっぽをむいたまま寝てしまいました。

……間……

さて、夜中になりましたが、なんだが外でがさがさ音がします。
「昼間のじさまの家どごだ?」と、だれかの声がしました。
「ここだ。ここだ。」と言うと、戸口をあける音がしました。
「ドスン。ドスン。」今度は、何かを落とす音がしました。
つぎに戸口がしまって、さっさとどこかへ行ってしまいました。
おじいさんとおばあさんは、寝床で顔見合わせて、おじいさん行って見ろ、いや、おばあさん行って見ろ、と、おだがいこわがってしまって、先をゆずりあっていました。
いつまでも、ゆずりあっていてもしかたありません。おじいさんが心をきめて、寝床を出て、戸口に行って見ました。
そうしたら、なんと、なんと………
「こりゃ、たまげだ。米俵に、味噌、餅、塩引き。大判小判が山積みになってだぞ。」
おばあさんも、そうっと、おじいさんのあとついてきて、これも、また、たまげていました。
二人は、こしをぬかして、声も出ないぐらいでした。
しばらくして、おじいさんがやっと、「ありゃ、お地藏さまでねがの」と………。
おばあさんも、「んだの、きっと」と、そう言うと、二人で仲良く、餅をごちそうになりました。それがら、二人は長者になって、喧嘩もしなくなり、いつまでもしあわせにくらしました。  おわり


  


2007年11月23日

笠地蔵 (庄内-標準語版)

笠地蔵 (庄内-標準語版)
第一回  (全二回)

おばあちゃん、おばあちゃん、とんと昔、お話して。
こどもたちの声が寝床から聞こえてくる。
今夜もおばあちゃんは、孫たちに、とんと昔を語りつぐ。
こうして、何百年も人の心のありようが受け継がれていくのだろう。


設定:祖母/はつえ 孫/ゆき(四歳)

今日はなんだか雲行きが怪しいと思ったら、やっぱり降り出しわね。ゆきちゃん、見てごらん、雪がふってきたわよ。
ほんとだ、うれしいな。
ふわり、ふわり、花びらのような大きなぼたん雪が、天からつぎつぎ舞い降りてくるのでした。
はつえさんとゆきちゃんは、二人並んで、庭を見ていました。
しらずにゆきちゃんは、はつえさんの手をにぎっていたのです。

そうだ、こんなお話があるの。と、はつえさんがしゃがみこんで、ゆきちゃんと同じ目の高さになって、庭を見ながら、お話をはじめました。

むかしね、ある村に、仲のいいおじいさんとおばあさんが、暮らしていました。
おばあさんが、こんなひとり言をいいました。
「今年も、いっしょうけんめい働いたの。ほんでも、さっぱりお金たまんね。貧乏暮らしはかわらねの。」
もうじき年越しです。おばあさんは、つい愚痴がでてしまったのでしょう。おじいさんは、だまったまま、おばあさんのひとり言を聞いていました。

そのまま数日がたち、今日は大晦日です。

「しぇば、心ばかりの正月の祝いの品そろえんなねの」と、おじいさんが言うと、朝早く、自分で作ったすげ笠を五つこしにつけて、もう一つ、自分がかぶってでかけていきました。このすげ笠を町で売って、お金にかえ、正月の祝いの品をそろえようというのです。

その日は大雪で、まだふりつづいています。どんどん積もっていくばかりです。風もふいて、おじいさんは地吹雪のなかを歩いていきました。
すると、吹雪のなか、お地藏さまが寒むそうにの立っていました。
そこに、おじいさんが通りかかりました。おじいさんは、ふと立ち止まって、そのお地蔵さまを、しげしげど見ました。おじいさんは、吹雪のなか、いかにも寒そうなお地藏さまが、可哀想に思えたのでしょうか。
こしにつけていた売り物のすげ笠を、一つはずしては、一人のお地藏さまにつけていきます。
おじいさんは、笠を五つこしにつけていたので、五人のお地藏さまに笠をつけていきました。あと一人、お地藏さまがおられました。おじいさんは、困ってどうしたらいいかと、少しの間、考え込んでいたのですが、そのとき、ハッと気がついたのです。おじいさんは、すぐに自分の笠を、わざわざぬいで、一人残ったお地藏さまにつけました。
すると、おじいさんはふところから手ぬぐいを出してほっかむりしてから、いったんこしをのばし、手を合わせながら、お地蔵さまに、ふかぶかおじぎをして、「しぇば、お地蔵さま、風邪などひがねようにの~、まだの~」 と言って、もと来た道を帰って行いきました。

                                  つづく  


2007年11月22日

寒い夜のあったか煮もの

なんとなく床から寒さが上へ、そう、足許から腰周りに、、、と言う感じです。
今日は、筑前煮を作って見ました。里芋は地元の農家の方からの頂き物です。
皮を剥くとき手が痒くなってしまいました(^^
民話のほうの原稿もがんばってますq(~~)p

  


Posted by ほんねず at 17:47Comments(0)ご近所の四季

2007年11月22日

ホントの白いブランコ

君はおぼえているかしら
あの白いブランコ
風に吹かれて二人でゆれた
あの白いブランコ

ビリーバンバン 懐かしいな。
つい思い出しちゃいました。

白いブランコ  


Posted by ほんねず at 10:12Comments(0)ご近所の四季

2007年11月22日

「へらへらのへら 3」 (置賜-方言版)

「へらへらのへら 3」 (置賜-方言版)

第三回 (全三回)

ゆめちゃん、ママが作ってくれたオムレツ美味しかったね。おしげばんちゃんも残さずぜんぶたべちゃった。
ゆめちゃんもぜんぶ食べたよ。
腹いっぺ。ふーっ。
今日は日曜だけど、パパとママはご用でおでかけなんだって。
ん、でもゆめちゃんはおしげばんちゃんと、家でとんと昔聞いたり、お絵かきしたりしったほうがたのしいがら………
んだが、今日はいっぺいとんと昔、聞かせでやっからな。
ウワ~ ほんてん。
ほんてんだよ。やくそくげんまん。嘘ついだら針千本のます。
まんず、お茶っこのんで、口のまわりよぐしてがらな。
ゆめちゃんも飲むが?
ん、のむ。
古い火鉢でちゅんちゅん鉄瓶が音たて、静かに湯気があがっている。おしげばんちゃんの隠居部屋は、母屋とは別棟で渡り廊下で行き来する。掘り炬燵に孫と祖母がならんで仲良く時をすごす。
さぁ、お茶はいったよ。あっづいがら気いつけでな。
うん、少しさましてがらのむ。
湯のみ茶碗を両手で包み込むように持ったおしげばんちゃんは、んだらば、昨日のつづきだね。ゆめちゃん昨日の話しおぼえっだが?
ん、おぼえっだ。団子作りのじょんだばんちゃんが、鬼からどごがさらわっで行ってしまって、お地蔵さま、うんまい団子食べらんねぐなって、がっかりしたどこまでだよ。
ゆめちゃんよぐおぼえっだな。
んじゃつづきはじめっぞ。
うん………

………間………

鬼だちが住んでいるどごろは、地獄の三丁目の「鬼釜温泉」ていってな、地元のひとにはけっこう評判がいい。鬼だちは旅館ば何軒かたでで、商売しったけど。人間て言うのは、怖いもの見たさがあっから、最近、噂になって日本全国から客の予約が入ってよ、このどごろけっこう忙しいがったど。
さらわっじゃ、団子作りのばんちゃんは、大きな鍋にお湯がもうもうと沸いているまえさちぇでこらっで、「ほら、ここでままたいでけろ(ご飯を炊いて)」と、鬼からたのまだっけど。
「おい、鬼、まま炊けて言っても、肝心の米がなくてはまま炊がんね。米はどさある?」て、聞いだけど。
「あっ、んだけな。米が。ちょっとまってろ」て言うずど、鬼は自分の人さ指ば、鼻の穴に突っ込んで、鼻くそを一粒まるめで、ばんちゃんさよごしたけど。
「なに、こいづが米だてか? ずいぶん汚いし、一粒ばりあってもままにならね」
「なんだ、ばんちゃんは、なんにもしゃねのが」
「こら、鬼、おらば馬鹿にしたな。だって、ゆんべお地蔵さまんどっからさらわっできたばっかすだものしかたねべ!」
「あらら、ほだけっがしたん。ほいずぁしゃねがった。ほしたらまんず、鼻くそば鍋さほうり込んで、このへらでいっぺんかましてみろ。」って、鬼は、これも大きな木のへらば、ばんちゃんさよごしたけど。
ばんちゃんは、鬼に言われるまま、鬼の鼻くそを鍋さほうりいれ、力いっぱいへらでかましてみだら、これは、不思議。たちまち、鍋のながら、ムクムク、ムクムクって、真っ白い米のまま(飯)湧いできたがど思うど、たちまぢ炊き上がったけど。
ばんちゃん、あまりに見事なまま(ご飯)炊けだがら、こしぬかしたけど。
ほしたら、鼻くその鬼が、ばんちゃんさ、「このへらはな『へらへらのへら』という、世にも珍しい法力もったへらでな、米だけでなくて、鼻くそでも、砂つぶでも、なんでも米に代え、量も万倍に増やしてくれるんだ。このへらは地獄のお宝だぁ。」って、自慢したけど。
ほしたら、まま炊けだってみんな集まってきて、うんまいうんまいって、食ったけど。
あいずぁ、鬼の鼻くそなんだげんともね。
腹すかしったっけ、鬼どもが、きゅうに一杯食ったもんだがら、みんな気ままに寝込んでしまったけど。鬼は腹一杯になっど必ず寝るもんだがらな。
なんだが、ゆめちゃんみでなえ。
おら、ごはん食ったあど、寝だりすねよ。
んだっけな。ほんでも、ばんちゃんは考えだ。この隙だったら、必ず逃げ出せるんであんめぇがってよ。善は急げって言うんで、ばんちゃんは『へらへらのへら』っていうへらばかついで、すたこらさっさど地獄がら逃げ出したど。
地獄では鬼どもが目覚まし、ばんちゃん逃げ出したごど知れで、さっそく追ってばよごしたけど。
追いつ追われつ、どっちも必死、
ばんちゃんは体ちゃっこいがらって、ほんてんすばしっこい。年はとしだげんとも、ほだなごどは関係ね。
しばらぐいぐど、大きな川さぶつかったけど。
看板ば見っど、一級河川「三途の川」って書いであったけど。
ちょうどほさよ、上から、大きな笹の葉、流っできたっけがら、ばんちゃんは迷わず、ほの笹の葉さとびのってにげだっけど。
ほんでも鬼どもは、川のながでもかまわずジャブジャブ走っておっかげで来たけっど。
だんだんによ、おいつがれそうになってきたけど。ばんちゃんは、かついだっけ『へらへらのへら』で、力いっぱい水ばこいでみだんだど。ほしたら川の水いっぺんに万倍になって、鬼だちや、てんでに溺っで、ばんちゃんばおっかげんのあぎらめだっけど。

………間………

無事に村さもどてきたばんちゃんは、とるものものとりあえず、お地蔵さまの前さ行って、おかげでなんとか無事に戻ってきたごどはなしたど。
「お地蔵さま、お地蔵さまのお蔭で、鬼に食われることもなぐ、元気に戻るごどできだがら、今度は、毎日、お地蔵さまさ、団子こしぇで、お供えさせもうがらな。」って言ったけど。
「あどよ、おれ、地獄から『へらへらのへら』っていうへら持て来てしまったげんとも、こいずぁ、返したほうがいいがんべね? お地蔵さま。なんたもんだっす」
「よい、よい。ほいずぁはもうばんちゃんのものだ。返すに及ばず。」って、地藏さまニコニコわらたっけど。
「ははぁ、ありがだいごで………」
「ほのかわり、ほのへらば、自分のためにだけ使ってはならぬ。村の衆のために末永く使うがよいぞ。」

………間………

二・三日して、お地蔵さまの前の広場に、村の衆がおおぜい集まって、笛や太鼓、鉦などもおおぎょうに囃したて、まるでお祭りみでな騒ぎだけっど。
広場のまんながさは、大きな鍋すえらっで、お湯がモウモウ湯気たでで、ばんちゃんは、鼻くそほじくってまるめで鍋の中がさほうりこんだど。ほして、『へらへらのへら』でかますど、たちまち、真っ白いまま炊き上がって、みんなで腹いっぱい食ったけど。
どんぴからりんすっからりん。

  


Posted by ほんねず at 03:11Comments(0)山形の民話(置賜方言版)

2007年11月21日

雪の山茶花

今日は本格的な雪模様。おおきなボタン雪が、あっという間につもりました。雪の山茶花  


Posted by ほんねず at 22:02Comments(0)ご近所の四季

2007年11月21日

「へらへらのへら 2」 (置賜-方言版)

「へらへらのへら 2」 (置賜-方言版)

第二回 (全三回)

設定:祖母-おしげ 孫-ゆめちゃん(四歳)
ゆめちゃん、きんな(昨日)の話っ子おぼえっだが?
ん、おぼえっだよ、ちゃんと。
信心深いばんちゃんが、団子こしぇで、ほの団子がころころころころがって、ほいずば、お地蔵さま、食って、うまがったって笑ったっけど………ほんねっけが? んだべ。
んだ、んだ、ゆめちゃんは賢いずね。
ばんちゃん、話っ子の続き、はやぐ………
んだね、こっからおもしゃぐなっからな。

………間………

ドン、ドン、ドン………。
どごがらがすごい音してきたっけど。
雷の音でもね。どんづき(地固め)の音でもね。
なんの音だがわがんねくて、ばんちゃんはおかなくて(怖くて)ぶるぶる震えだっけど。
ほうすっど、お地蔵さまが、「おれの後ろさかぐっでいろ。」って言ったけど。
「んだがって………」 ばんちゃん、お地蔵さまの後ろさかぐっだっけど。
ドン、ドン、ドン………。
ほの音、なんの音だが、ゆめちゃんはわがっか?
おら、わがらねずぅ。ほだいおっきな音だっけの。
んだよ。この世の音とはおもわんねっけど。
うわ~っ。おっかねえぇ。
ゆめちゃんは、ばんちゃんさ抱きついだ。
ハハハッ。だいじょうぶだ。
ほの、ばんちゃんも、お地蔵さまさ、おっかねぇって言って、抱きついだっけど。
ドン、ドン、ドン………。
「腹へった。腹へった。なにかうまい食い物ねぇが?」って、鬼が、いっぱいきたんだっけど。鬼は赤いのや青いのや黄色いのやいろいろいでよ、あだまさは角はえで、口は耳までさけでいただっけど。ほの大きさは、ばんちゃんから見っど、天にもとどぐんであんめぇがっていうぐらい大っきぐ見えだもな。まんず、足のすねど石みでいにゴヅゴヅした膝小僧ぐらいしか見えくて、ばんちゃんは、鬼の足の親指ぐらいしかねぇっけど。
鬼だちは、お地蔵さまのどころまでくっど、鼻ばピクピクさせでよ、「人くせい、人くせい。おい、地蔵、人かぐしていねが?」って、あちゃこちゃ、さがしたんだけど。
クン、クン、クン。鬼はよ、ほんてん、鼻きぐんだね。あっというまに、お地蔵さまの後ろさかぐっでいだっけ、ばんちゃんば見つけでよ、着物のえりくびつかんで、ひょいともちあげだっけど。
ばんちゃんは、たまげで、「助けでけろっ!」って、さけんだっけど。
鬼は、ばんちゃんば見で、「なんだごだなしなびばんちゃんか。食ってもうまぐねべな。」って言ったけど。
「んだな。ごだなしなびばんちゃんか。食ってもうまぐねべな。ほだ、ままたき(飯炊き)ばんちゃんにしたらいいんでねべが?」って、べつな鬼、言ったけど。
「んだ。んだ。んだ。」って鬼だちは、みな言ったけど。
「おい、地蔵、ほしたら、ばんちゃんば、ままたぎどしてもらいうける! いいべな」
「ほいずぁ、困った。おれ、ばんちゃんのうんまい団子食わんねぐなっべしたん。」って、お地蔵さまがっかりしたんだけど。
「鬼どもがら、ばんちゃん見つかったんだばしかね。つれでいげ。ほのかわり、ばんちゃんば食ったりしたら承知しねぞ。ほの、ばんちゃんは、毎日、神も仏も、こころふかく信心していて、阿弥陀さまも、ばんちゃんの徳にまさるものはね。って言ってござるぐらいだがらな、ほのばんちゃんば食たりすっど、たちまち、阿弥陀さまの罰あだっぞ。」
「地蔵、いいごどおしぇでけだなえ。おらだは、このばんちゃんは食わね。ままたき(飯炊き)さすっから。」って、鬼はお地蔵さまさ、ほう言うど、
カンラ、カンラカラカラ。カンラ、カンラカラカラ。って大きな声で笑いながら、もどきた道ば、もどっていったど。
鬼どもは、ばんちゃんばつれでどごさ帰っていくんだべつね。
ゆめちゃん、知ってだが?
おらしゃねよ。
どごだべね? おっかないどごだべが?
ほして、ばんちゃんはどうなるんだべ?
………間………
話っ子長くなたがら、まだ明日な………
おら、おっかねぐてねむらんねじゃ。
うんだが、ばんちゃん、ゆめちゃん、大好きな子守唄、うたっでけっから。
ほんてん。ばんちゃん。
ん、んだがらはやぐねっべは、なっ。
ん………。
ゆめちゃんは、ばんちゃんと一緒に布団さはいって、ちっちゃい目ば閉じた。
ばんちゃんは、ゆめちゃんに添い寝をしながら………
  ♪ おら家の おぼこば
    誰泣かせた
  誰も泣かせぬげんど
  おとりで泣いだんだ
  ねろねろや ほらほらや
   オワイヤレ オワイヤレヤ
   ねんねこっこ ねんねこっこや
おしげばんちゃんは、ゆめこちゃんさ、子守唄聞かせだ。いずのまにが、ゆめちゃんは寝だっけど。
  


Posted by ほんねず at 21:16Comments(0)山形の民話(置賜方言版)

2007年11月21日

「へらへらのへら1 」 (置賜-方言版)

「へらへらのへら1 」 (置賜-方言版)

「ばんちゃん、ばんちゃん、とんと昔、とんと昔、語ってけろ。」
おぼこたちの声が寝床から聞こえてきた。
今夜もばんちゃんは、孫にとんと昔を語りつぐ。
こうして、何百年も人の心のありようが受けつがれていぐんだべな。


設定:祖母-おしげ 孫-ゆめちゃん(四歳)

第一回 (全三回)

おら、ばんちゃんのとんと昔、おもしゃ(面白い)くて、大好きだぁ。
んだが、ゆめちゃん、おしょうしな(ありがとう)。
んだがら、まだ話っ子聞くだいな。
んだが、んだが、よしわがった。んだらまだ一づ話っ子ぶづがね。

………間………

とんとむがしあったけど。
ばんちゃんが一人で暮らしったっけど。
じんちゃんは、三年前、病気でぽっくり逝ったけど
ばんちゃんは、もどがら信心はしったけんども、亭主、なぐなってから、なおさら、深く、信心ば心がけだけど。
「どうが地蔵さま、おらいのじんちゃんは、あの世のごど、何にもしゃあねがらよっす、ほんてんよろしく頼むっす。ほのかわり、うんまい団子こしぇで、毎日、お供えさせでもらうがらよっす。」って言ったけど。

ゆめちゃんは、神さまどが、仏さまいるって知ってだが?
んぅ………?
信心っていうのはよ、自分の力だけではなじょしてもならねごどあっべ。んでも、毎日なんとが無事に暮らさせでもらっていっからよ、ほのごどばありがだいって思ってよ、んだがら、毎日よ、神さまどが仏さまさ、おしょうしな(有難うございます)って、ばんちゃんは手あわせるんだず。
んじゃ、おれも今度から、ばんちゃんといっしょに手ばあわせっかな。
んだが、んだら、ゆめちゃんも今度いっしょに手ばあわせっべな。

………間………

信心深いばんちゃんは、今日も仏さまさ団子おそなえすっべってこしゃえっだけど。ほのばんちゃん団子こしゃえんのんとじょんでよ、ほんてんまん丸ぐこしゃえだもんだがら、団子は仏さまさおそなえする前に、ひとりで庭のほうさころげでいったけど。団子はコロコロコロ、コロコロコロ、コロコロコロ、あらら、どごまでころがっていぐのやら………
ばんちゃんは、あわてで後をおっかげでいったられば、ちょうどお地蔵さまのまえさでだっけど。
お地蔵さまは、赤いよだれかけで口ばぬぐって、モグモグ、モグモグって何がくってだっけど。ほさ、ばんちゃんきたもんだがら、慌てでのどさつまってむせてしまたけど。
ばんちゃん、「あらら、お地蔵さま、なじぇしてござるっす、」って聞いだっけど。
ほしたら、お地蔵さま、「うまそうな団子、コロコロコロ、コロコロコロ、ころがってきたもんだがら、ごっつおなたけどごよ。」って言ったけど。
「いやぁ、うんまい団子だっけな。」って、お地蔵さま、ちゃっこいベロ(舌)ばだして、にこっと笑っけずもな。ほんてん、ちゃめっけあるお地蔵さまだなえ。
「まるで、ゆめちゃん見でだなえ………」
「おら、ほだなごどすねよ。」
「んだがや………」 ばんちゃんは、ゆめこちゃんばこちょばした(くすぐる)。
「ウフフッ。ばんちゃん止めで。こちょびたいず。」
んだが、ほんじゃ、話の続きはまた明日。
  


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2007年11月19日

「やきもち鏡」 (置賜-準標準語版)

「やきもち鏡」 (置賜-準標準語版)

おばちゃん、おばぁちゃん、とんと昔、お話しして。
子供の声が寝室から聞こえてきた。
今夜もおばちゃんは孫にとんと昔を語り継ぐ。
こうして、何百年も人の心のありようが受け継がれていくんだろう。

設定:祖母/よし子  孫:剛志(小4)

剛志、「とんち」って知っている。
ん、「この橋わたるべからず。」でしょう
 一休さんだね。
この前、おばぁちゃんがお話ししてくれたじゃない。
そうだっけ!
なんだ、忘れちゃったの?
おぼえているよ!
ほんとかな?
うるさいよ。男の子はこまかいことは気にしない。

………間………


 むかし、こんなお話がありました。
 ある村に「とんち」好きのお殿様がいました。お殿様は、毎年、「とんち祭り」ひらいていて、今年もみょうな問題を出しました。その問題と言うのはよ、「灰で縄をなってみろ」というもだったの。
 ところが、このお殿様に、さらに輪をかけたような「とんち好き」の百姓がいました。名前は頓吉《とんきち》と言います。
 頓吉は、いく晩も考えつづけて、「とんち祭り」の日に、お殿様のまえに進みでて、鉄鍋を献上しました。その鍋のなかには、見事な灰でできた縄がはいっていました。
 お殿様はその灰でできた縄を見てビックリしてしまって、腰を抜かしたほどでした。
お殿様は、頓吉にどんな方法でこの縄を作ったのか聞きました。
 頓吉は胸をはってさも自慢げに話をしたの。
「ほいずぁ、じょさね(簡単)なごどだ。ふつうに縄ばなってから、鍋にぶっ込んで火ばつけで灰にしただけだず」
「ほう、そうであったか。頓吉、いつもながら見事なとんちである。ほめてとらす。褒美をつかわそう。望みのものを申せ。」
「へぃ。」と、頓吉はしばらく考え込んでから、お殿様にこう申し上げたのよ。
「あの、殿様、おら、物はいらね。ただ、去年亡くなった親爺にも一度会って、親孝行の真似ごとがしたいと思いやす。」
 お殿様はその望みを聞いてしばらく考え込んでから、頓吉に言いました。
「頓吉、お前の孝行心には、頭が下がるの。まさしくわが領民の鏡である。お前の望みをかなえてやろう。」と、ご機嫌でした。
「へぃ、さすがは殿様。ありがたいことで。」頓吉はお殿様にお辞儀をしていたの。
「これをつかわす。」と、お殿様が、漆塗りの立派な箱を下さった。そしてこう言い足した。
「そうじゃの、これから三年の後、この箱を開けてはならぬ。そして、三年たったら中を覗いてみよ。さすれば、そこにお前の父親が必ずいる。必ずにな。ただしその箱を開けるときは、部屋には誰も入れずに、お前一人で開けることに限るぞ。さもなければ、父親はたちまち消えてしまうからな。」と、念押しをして、渡してよこしたんだって。

………間………

 頓吉はお殿様にいただいた漆塗りの箱を、大事に家に持ち帰って、仏壇に供えて三年待ったの。三年目のその日、頓吉は、家のものに仏間に近づいてはならいと申しつけて、夜になると一人仏間に入って、あの漆塗りの箱のふたをそっと開けて見たのよ。
 そしたら、ビックリ、本当に頓吉の父親の顔が、その箱の中にいたんだって。頓吉は思わず、嬉しくて笑いがこぼれたわ。そうしたら、箱の中の父親も、同じように笑っているんだって。そのうち、父親が亡くなった悲しみがこみ上げできて、頓吉は思わず泪が流れてきたの。そうすると、また、箱の中の父親も、同じように泪を流していたのね。頓吉は不思議でならなくて、さすがは、お殿様のご褒美のことだけはあると思って、知らずに、箱の中に父親に手を合わせて蓋を閉め、また仏壇にお供えしていたんだって。
 そして、そんなことが七晩続いたのね。
 七晩も頓吉が夜になると仏間にこもるのは何故か? 頓吉の女房が怪しみ出すのも当然だわ。女房は、これは怪しいと言うので、頓吉が留守の昼間に、仏間に入り、あの漆塗りの箱のふたを開けてみたの。そうしたら、箱の中には、見た事もない美人の女の人がいたんだって。女房は、頓吉が自分に内緒で、毎晩、この女と浮気していたのだと思い込んで、頓吉が帰ってきたところで、やきもちの火花を頓吉にぶつけんだって。
 頓吉は身に覚えのない女房のやきもちに当惑して、言い訳がましく、亡くなった父親に親孝行しているだけだと、話をしたの。
 それでも、そんなことは女房には信じられない。見え透いた嘘だろうと、さらに怒りをあらわにして、頓吉を引っ掻いたりぶったりして、なかなか治まる気配がない。
 そこでしかたなく頓吉は、女房と一緒に仏間に入り、漆塗りの箱の蓋を開けて見せたのね。すると、そこには夫婦の顔が映っていたのだけれど、女房は興奮していたためか、女の人の顔が自分の顔であることに気づかずに、頓吉を押し倒してぶち続けたんだって。
頓吉はたまらず、「ほれよーく見てみろ。ここには俺の父親が映っているだけだ。」と言って、女房に、箱を向けたのだが、そこには女房の顔が映っていたのね。
 頓吉は、はっとして、ようやくお殿様のとんちに気がついで、「まてまて」と、女房を何とかなだめて、お殿様のとんちのわけを話してきかせたんだって。
「ほら見で見ろ。ここに映っている美人は、お前の顔ではないか」と、頓吉が女房に言うと、女房は顔を真っ赤にして、恥ずかしながら、頓吉に抱きついて、その晩は、夫婦仲良く、同じ布団に入って寝たんだって。
 それから、その漆の箱は、頓吉の家の大事な家宝として、代々、大事に受け継がれていったんだって。
   とんぴん、さんすけねぇっけど。
  


2007年11月19日

「見えない織物」 (置賜-準方言版)

「見えない織物」 (置賜-準方言版)

   設定:祖母/よし子  孫:剛志(小4)

ばんちゃん、ばんちゃん、とんと昔、とんと昔、語ってけろ。
おぼこだの声が寝床から聞こえできだ。
今夜もばんちゃんは孫にとんと昔を語り継ぐ。
こうして、何百年も人の心ありようが受け継がれていぐんだべな。

むがし、あったけど。あのよ、剛志、年貢ってわがっか?
しゃね!
んだが、昔、村は殿様のもので、毎年、田で米作っど、半分以上、お城さ納めらんなねくてよ、まんず、米ば作った百姓、んだご先祖様だぢはよ、自分だぢでは、米ば食んねがったんだず。
んじゃ、なに食ったけの。
んだね、なに食ったんだっけべね。
餅。餅食ったっけよ。
アハハッ。んだがや。餅食ったっけが。
ほんねっけの?
ほんねがもすんね。
………
いいが、話の続きして…
ん!
その、お城さ納める米のごとば「年貢」って言うんだけど。
年貢……がぁ
んだ。んでも、ある年の夏、冷たい風吹で、米が取れね年あったけど。
お城さ納める年貢もねくて、村の衆も困ってはよ、みな青い顔して頭かかえだっけど。
ほのどぎよ、お城から使い来て、米ねければ、金、三十両納めよっていう命令だっけど。
ありゃ、ほだなごど無理だべしたん。
んだね。無理な話だ。庄屋様のどごでも、ほだな貯えねぇっけど。
三十両が。もし三十両払わんねんごんたらどうなる?
んだね。ただではすまねべな。
ほんじゃ、なじょしても何とがさんなねのが。
ほんでもよ、ほさよ、ある男が名乗りば上げだっけど。まだ若いげんとも、面構えはふてぶてしく、すこしずるそうで、ニヤニヤ笑いを浮かべでいたっけど。
誰だぁ。その人。
悟介さんっていうてな、村一番の知恵ものだ。
悟介さんってが。
んだ。悟介さんは、村の衆ば前にして胸はって、「おれさ任せろ」 って言うたけど。ほして、つんぎの朝、一人でお城さ出がげでいったけど。
お城さついだ悟介さんは、門番さ年貢ば持って来たがら、殿様さ取り次ぐように頼んだけど。
では、というごどでお城の広い庭さ通さだっけど。
最初に出てきたのは、役人。
「その方、年貢を持ってきたと言うが、どこさある。どこさもないではないか。」
「いえいえ、ちゃんとここにござります」 って言うど、風呂敷包みば出したっけど。
「これが、年貢じゃと。」
「へぃ。これは、山のウグイスの声を縦糸に、野原のマツムシの声を横糸にして織り上げました、世にも珍しい綾織でござりやす。」
「どれどれ、ほだな織物どごさある。」
「へぃ、こごさ。」って、風呂敷ば見せだけど。
役人は目ば皿にして見だげんとも、織物なぞ何もねぇ。
「こらっ、何にもなねぇぞ。へだなずほ(嘘)こぐど、ただではすまぬ。そこになおれ。」 ってごしゃいだっけど。
ほんでも、悟介さんは平気の平左。
「お役人、この織物見えのがっす。んだらば、あんたの心と目はどうも曇っているようだなっす。」
「なにを、百姓の分際でわしを愚弄すとは…… そのままでは捨て置かぬ」 って、顔ば真っ赤にして頭から湯気あがったけど。
悟介さんは、ほんでも、涼しい顔してこう言ったけど。
「お役人様、その短気が邪魔して、世の中のごとも、この織物のことも何も見えねんであんめが。そもそも、この織物は、心清く正き者にしか見えぇものでよっす。」 って、言ったけど。
「なにおっ! そのような悪口雑言、許さぬ。首をはねてくれる。」 って、役人は刀ばぬいで、上段に構えだどぎだ、「まてまて」 って、止める人いだけど。
その人ぁ、殿様だっけど。
「騒ぎのわけを聞こう。」 って、殿様言ったけど。
役人がかくかくしかしかって、わけば話けど。
殿様は「うんうん」とうなずきながら聞いだけど。
話ば聞き終わった殿様は、「どれどれ」 って、悟介さんの前さしゃがみこんで風呂敷ば持って開いで見だけど。
ほうすっど、殿様ニコニコ笑って、「その方が、悟介と申すか。それにしても、見事な織物であるな。七色に光って、こするとウグイスとマツムシの声聞こえる。」 って、言ったけど。
「ほーっ、さすがはお殿様だねっす。この織物の美しさがお分かりいただけるとは」
「おう、分かるぞ、このような美しい織物は世も初めてじゃ」
「お殿様のお心は、まさに清く正しくござる」
悟介さんは下むいで、ベロば出してニンマリしたっけど。
殿様は、「左様か、わしの心は清く正しいかの?」
[この織物が、殿様の目にはちゃんと見えておられることが、何よりの証拠でござります。]
「これ悟介、この綾織を年貢の代わりに納めたいと申すのだな」
「へい、今年の夏は冷害だっけもんだがらねっす、村の衆も年貢のこどですっかり頭抱えでいでよ、ほんで、おらが村ば代表して、殿様さ、年貢の代わりに、世にも珍しい綾織ばもってきだどごよっす。なんたべね、殿様、この綾織で年貢の代わりにしてもらわんねべが。」 って、悟介さんは言ったけど。
「ほう、それで、この綾織の値はいかほどであるか?」
「んだね、この綾織ば織るのには、十年、山さ籠もったがらねっす。十年分の値となると三十両もらうべがね。」
「三十両か、安いの。ちょうど村に申し付けた年貢の値じゃな。それでは、手間賃として、さらにそちに十両をつかわそう。それでどうじゃ。」
「はっ、はぁ~。」 って、悟介さんは、お辞儀ば何回もしたっけど。
悟介さんは、年貢ば無事納めだほかに、十両ば懐にして、村さ帰ったけど。村の衆は大喜び! 祭りばひらいで、みんなでお祝いしたっけど。
お城では、殿様が天守閣から、祭りの様子ば眺めで、ニコニコ笑っていだっけど。
どんぴんさんすけ かっぱの屁
  


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2007年11月18日

「阿古耶姫 4 」 (村山-標準語版)

「阿古耶(あこや)姫」 (村山-標準語版) 第四回(連載四・全四回)

 おばあちゃん、つづきはどうなるの? いよいよお話しは、最後のクライマックスよね。とても楽しみだわ!
 そうね。じゃぁ、昨日のつづきよ………

 その晩、阿古耶姫が床についたわ。でも左衛門太郎のことが心配で、なかなか寝付けない。だげど、ろくに食事も摂らないで、毎日、眠れない日が続いていたから、もう体の方はへとへとに疲れきっていたわ。だからかしら、それはわからないけれども、姫は床の中で、ついうとうとと眠ってしまたの。そうすると不思議ね。姫は夢をみたのよ。でも、それは姫には夢だとは思えないのね。
 そう、やつれ果てた姫の枕許に、あの左衛門太郎が立って、笛を吹いていたの。姫は夢うつつで聞いていたけど。左衛門太郎は、ふと笛を吹くのを止めると、姫の枕許にしゃがみこんで声をかけたの。
「姫、姫、私です。左衛門太郎です。」
「あっ!」 姫がハッとして気づいたわ。
「左衛門太郎様、本当に、左衛門太郎様ですの。お逢いしとうございました。」
「私も……」
 二人はひしと抱き合ったわ。そのとき、まるで、時までも止まったかと思われたの。風も川の流れも、虫の声さえもぴたっと止まったの。
 やがて、左衛門太郎が姫を胸に抱いたまま、静かに語り出したわ。
「姫、私は姫に嘘をついておりました。私は名取の左衛門太郎ではないのです。私は、本当は隣の国、最上の千歳山の頂に生える「松の精」でございます。あの時、姫のお琴の音が、はるか峠を越えて千歳山の頂まで届き、その妙なる音色に誘われるまま、姫と出逢ってしまったのです。そして、私が姫についた嘘を、天が咎められました。松の精と言うこの世のものではない私が、姫を愛してしまった罪を問われたのかもしれません。そのためか、この度の嵐で流された、名取川の大橋を架け替えするための用材として、私は伐採されてしまったのです。」
「………」 姫様は松の精の胸の中でわなわな震えながら聞いていたわ。
「ただ、あのように切られたまま千歳山を離れ、名取橋の用材になれば、死んで姫のおそば近くまでやってこれますが、二度と左衛門太郎としては逢うことがかないません。されど、このまま千歳山にとどまっては、名取川に橋はかかりません。私は進退窮まりましてございます。それで思い余って、姫に最期のおめもじをと思い、まかり出たのでございます。」
 左衛門太郎、いや、松の精の話を聞き終えた姫は、もう泣いてはいなかったわ。そして、姫は意外にも気丈に左衛門太郎の顔を見つめながら言ったの。
「左衛門太郎、いや、松の精殿、私と二世の契りを交わした気持ちには偽りはありませんか?」
「はい、それは命に代えて偽りはございません。だから、こうして………。」
「そう、松の精殿のご誠実は、あの笛の音によくあらわれおりまする。私はあなたを心から信じています。」
「嬉しゅうござる。しかし、姫の行く末を考えると、私は胸がつぶれてしまいます。どうぞ、もはや、私のことはお忘れいただき、姫にはぜがひにも幸せになってほしいと思います。ただ、このことだけをお伝えできれば、私は思い残すことはありません。もう直ぐ夜明けです。おいとまを頂かなければなりません。それでは、お名残惜しくはありますが、さらばでござる。」と、松の精が言うと、姫の枕許から消えていたの。

 姫が、朝になって目を覚ますとすぐ、父親の豊充卿の前へすすみ、夕べの出来事をつまびらかに語り、その上で、父親にいとまを請い、その願いは、父親に受け入れられたの。でも、父親の豊充卿にしてみれば、あまりに不憫な娘の恋心に、きっといたたまれない思いをしていたことでしょうね。

  ……間……

 姫はすぐに旅支度を整えると、最上の国へ旅立って行ったの。峠の山道は、女の足ではさぞ難儀だったと思われるのだけれど、気丈に姫は歩き続けたわ。翌日の夕方頃には、もう、千歳山のふもとに着いていたわ。夕日に映える千歳山は、この世の美しさとは思えないほどであったと言われているの。
 次の朝、姫が千歳山の頂に上ると、そこには、松の老大木が無惨にも切り倒されていわ。
 姫は切り倒された大木の前に、簡単な祭壇を作り、そこに座り、心を込めてお経を唱え初めたの。すると、不思議。松の老大木が、一瞬、身震いしたみたいに見えたの。
 それから、皆の衆が力を合わせて、松の木をひっぱたら、びくとも動かなかったものが、嘘だったみたいにすっすっと、動き始めたの。そうして、名取川には立派な大橋ができあがったのよ。
 阿古耶姫は、千歳山の頂さ小さい庵を建てて、剃髪し尼僧になって、一生そこで松の精
の菩提を弔い続けたの。
   どんぴん さんすけ おしまい

付録
笹谷峠の名の由来として、松の精と、阿古耶姫が、峠の上で愛を囁き、別れを告げたと言う伝説があるそうです。つまり、「囁き」峠から、いつしか、笹谷峠となったと。
  


2007年11月17日

「阿古耶姫 3 」 (村山-標準語版)

第三回(連載三・全四回)

 おばあちゃん、昨日の続き、お願い………
 そうね。昨日のつづきね。

 阿古耶姫は、それからは何をしていても気もそぞろ。夜になるのが待ち遠しくて仕方がなかったわ。姫の願いがかなって、ようやく日も暮れ夜も更けたころ、どこからともなく、澄んだ笛の音が風を渡って聞こえてきたの。すると姫も、笛に合わせて、琴を爪弾き始めたの。その合奏の見事さは例えようもないほど妙なる響きであったわ。
 二人は、こうして夜毎、琴と笛を奏で合いつづけたの。それこそ、来る日も来る日も、
二人はやがて、身も心も惹かれあい、ついには深く情を交わす仲となっていたのよ。

  ……間……

 楽しく幸せな時は瞬く間に過ぎていく。ちょうど一年が過ぎたころだったわ。
 大嵐、今で言う台風ね、そう、ものすごい台風よ。そして、名取川が大洪水になって、街道に掛かる名取大橋も流されてしまって、村の人々も旅の人も大変困っていたの。まして、台風の被害はそれだけではなくて、家と一緒に子供も流されたり、土砂崩れで生き埋めになった者、倒木に挟まれて絶命した者。数えても数えてもきりがないくらいだったわ。
そのぐらい大変な被害だったの。
 そうしたら、その日を境に、左衛門太郎もぱったりと姿を現さなくなっていたの。
 姫は心配で、心配で、いてもたってもいられなくてね、日に日にやつれて行いってしまったの。
 姫の様子を見ていた家人の者は、父親の豊充卿にも、姫の様子を報告したわ。豊充卿は娘である姫が心配で、家人たちに命じて、八方手を尽くし、左衛門太郎を探させたの。それでも、ようとして行方は知れなかったわ。

  ……間……

 ちょうどそのころ、名取大橋の架け替えの話が持ち上がって、材木の調達を急いでいたの。多勢の人が刈り出されて、信夫の国中探したけど、いい具合に大きな材木が見つからなくて、困って、熊野神社の巫女に頼み、占いをたてたのね。
 結果、その巫女が言うのには、「橋の材木は、もはやこの信夫の国にはない。あるとすると、あの峠を越て、隣の最上の国の千歳山の頂に生えている松の木しかない。」って言ったそうよ。
 それではと言うことで、さっそく国中の樵が集められ、最上の国に出かけて行って、千歳山の頂の松の大木を切り出して、運ぼうとしたの。
 でも、松の木はびくとも動かないのね。どんなことをしても、一切動くことはなかったわ。
 松の材木が、動かないのなら仕方がないわ、………はい、話はまだ明日ね。
  


2007年11月17日

「阿古耶姫 2 」 (村山-標準語版)

第二回(連載二・全四回)
 おばあちゃん、昨日のつづき、早く、早く………
 そうだね、そうしたら話の続きね……
「どなたでござります? わが、館(やかた)になにか御用でも」 と、姫様が、その男に聞いてみたの。
「いえ、ただ、あなたのお琴の音色が、あまりにも素晴らしかったもので、断りもなく気づかぬまま、こんな庭の奥にまで…… 大変失礼を致しました。ご容赦ください。私の名は、名取の左衛門太郎と申します。以後、お見知りおきをお願いしたい。」
「これは、これは、ご丁寧な申し状。いたみいります。私はこの館の主、藤原豊充が娘、阿古耶と申します。」
「さようでしたか。阿古耶姫と申されるか。」
「はい。」
「いいお名前ですね。それで、厚かましいのは承知の上で、もう一つ所望したいのですが……」
「あら、何でござりましょう。もし、私で用が足りるのなら何なりと……」
「では、遠慮なく。もう一曲、姫のお琴と私の笛で、調べを楽しめないでしょうか!」
「オホホホッ。はい、よろしゅうございますとも」
そうして、二人は一緒に曲を奏ではじめたの。
 二人は、時の経つもの忘れて、それこそ夢中になって、曲を弾きつづけたわ。
 いつのまにか、東の空が白み初めていたの。
左衛門太郎は、夜明けが近いことに気づいて、はたと笛を吹くのを止めて、お姫様の前にひざまづいて言ったわ。
「阿古耶姫。今宵は本当に楽しゅうございました。しかし。間もなく夜が明けます。私は帰らねばなりません。」
「な、な、なんと。左衛門太郎殿。お帰りあそばされるのか?」と、お姫様が言うと、よよと泣き崩れてしまったの。
「姫、姫、如何された?」
「いえ、私も今宵のような演奏は、初めてで、身も心もすっかり清められたのですが、左衛門太郎殿が帰られてしまえば、もう二度と今宵のような演奏が叶わぬと思うと、つい泪があふれてきてしまったのです。」
「おお、そのようなことでありましたか。それでは、こういたしましょう。もし姫さえよければ、明晩、また私がこうしてここをお訪ねしましょう。そして、今宵のように二人で演奏しましょう」
「まぁ、嬉しい。本当でござりますか?」
「はい、必ず! では、明晩」と言って、左衛門太郎は帰っていったの。
 そうね、左衛門太郎も帰ったことだから、お話もまた明日ね………
 なんだ、ずるい。おばあちゃんたら。
 ハハッ、とにかくまだ明日ね。