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2007年11月16日

「阿古耶姫 1 」 (村山・標準語版)

第一回(連載一・全四回)
おばあちゃん、おばあちゃん、とんと昔、お話ししてちょうだい。子供たちの声が寝室から聞こえてきた。今夜もおばちゃんは孫たちに、とんと昔を語り継いでいくのでしょう。
こうして、人の心のありようが、何百年も受け継がれていくのかな。

 笹谷峠って知っている?
 知っているよ。この間、おばちゃんと一緒に行った「ぼけなし観音」のところの峠道でしょう。
 そう、よく覚えていたね。今日は、笹谷の峠を越えた、信夫郡の名取って言うところにいた、さるお姫様と、あの千歳山の松の精との、悲しい恋の物語を語ってあげようかなっておもうの。どう?
 ん、それ面白そう!
 ところで、さくら、お前は年はいくつになったの?
 ウフッ! 十二歳よ。
 この間、ママが赤飯を炊いてくれたんだっけ。
 ええ。
 それじゃ、少し大人の話しだけど、女の子として、きっと何か感じてくれたら、おばあちゃんも、話甲斐があるわ。
 ウワ~ッ! ちょっとドキドキしてきちゃった。

 そのころ、信夫郡(ごおり)(現-宮城県名取市のあたり)いったいは、都から来た藤原豊充卿というお方が治めていたの。豊充卿には「阿古耶姫」と言う娘がいて、その器量のよさは、都にまでとどいたの。
 そんなに綺麗だったの?
 そうよ。それで、姫は、お琴も大変上手だったの。
 お琴?
 あの、正月なんかによく流れる、春の海という曲知らない? あの弦楽器、日本のハープみたいな楽器よ。
 あぁ、知っている。私あの音、好きよ。
 そう、それで、お姫様の琴の腕前も、それは素晴らしかったのよ。
 ある、晩のことだけど、いつもの通り夕食を済ませて、姫は自分の部屋に戻って、また、琴の練習をはじめの。ちょうどすすきが穂を出をして、お月様もぁまんまるく見えていたのよ。それはもう、静かな晩で、お姫様の美しい琴の音は、あの空のお月様までとどくように響いていたの。
 すると、その琴の音にあわせて、どこからか、これまたどこまでも澄んだ笛の音がしてきたの。お姫様は不思議に思って、琴の手を休めて、庭の方を見たら、若くてとてもハンサムな男の子が立っていの。
「どなたでござります? なにか御用でも」と、姫は、聞いたの。
「どなたでござります? なにか御用でも」だって。ワハハッ。おばあちゃん、変だよ!
 変だって、何が?
 だって、声も言い方もおばあちゃんじゃないわ。
 だって、お姫様だよ、少し声色使って見たのよ。その方が雰囲気が出て、面白いでしょう!
 ええ、面白いわ。
 そう、面白かった。そしたらあんまり長くなっても、ブログの読者の皆さんが、読むのが大変だから、   今日はこの辺で………この続きはまだ明日ね。