2008年01月21日

「はんつけ半次郎」第三回(あるあわて者の話)村山方言版

第三回

半次郎は自分のはんつけさが腹立ってきて、ごしゃぎながら家さ帰ってきた。
おがちゃは、ちょうど裏の川で鍋洗いしったけど。天気もいいし、おがちゃは鼻歌歌いながら鍋洗いしてる。ほいずば見つけだ「はんつけ半次郎」は、自分が遭ったさんざんなめのごどもしゃねで、呑気に歌うたっているおがちゃば見で、腹の虫がおさまらねぐなってしかたね。ほこで、後ろからぬきあしさしあし、そっと近づき、おかちゃの背中ば、思いっきり手で押したけっど。
おがちゃは不意をつかれて、思わず川の中さどんぶりとはまってしまって、「助けでけろ」って大声でさなっていだけど。
ほの声ば聞いだ半次郎は、なんか変だぞ。おらいの家のおがちゃの声にしては、ずいぶん若い気がする。あれっていうごどで、川さはまっている女ば見っど、あれまぁ、隣の家の嫁子であった。
半次郎はきまり悪くて、隣の嫁子ばほっておいで、さっさど家さはいって布団かぶって寝でしまったけど。
(とんだ、はんつけしてしまったもんだ。明日の朝、一番に隣の家さいって、あやまらんなねな、こりゃ)って、布団のなかがでおもったけど。
次の朝、半次郎が目ばさましたけど。
半次郎も自分のはんつけにあきれるほだっけげんとも、まず、隣さいってあやまらんなべな。ほしたら、顔洗ってがらが、って、裏の川さいってみだれば、あんばいよぐ、隣の嫁子、洗濯しったけど。
半次郎は「きんなはどうもすまねごどしてしまったけなっす。どうが勘弁してもらわんねべが、って、土下座して、額ばつちさこすりつけあやまったけど。
ほうすっど、隣の嫁子、クスクス笑っていだっけど。
何か変だぞ。
半次郎はそっと頭ばあげで、嫁子ばみっずど、その人は、自分の家のおがちゃだけど。
まんず、半次郎のはんつけは、当分、直らね。いやぁ~、一生直らねがもすんえど、本人も、家の人だも、あきらめだっけどは………
           どんびん、さんすけ、ねぇっけど  おしまい


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Posted by ほんねず at 09:23│Comments(0)笑い話
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