皆さんが気にされていた、最初の舞茸の写真の行方は、鍋になってお腹の中へいきました。
写真は、三春屋ニイサンから借りています。
http://miharuya.da-te.jp/
他に、肘折温泉の化物キノコのご紹介です。
名前が割るのはナメコぐらいかな。
後は、三春屋ニイサンおしえてネ。
キノコの化物 第四回
「ずほ(嘘)こぎ化物、なじょしてくれる。こだなヤロウゆるしておがんねっちゃ。」と、化物、ほん気でごしゃいで、男さ仕返し考えだけど。
「あの、化物、さとう餅キライだって言ってだっけな。よーし、こんどは俺がさとう餅ぶつけでけっべ。」ということで、おとこさ、「ここでかならずまってろ。おまえのキライなさとう餅ばいっぱいもってきてけっから」って、どごがさいってしまったけど。
男は、化物は逃げでしまったんであんめぇがと思ったけど、しばらぐそごで待っていだっけど。
まもなぐすっど、化物はかかえきらんねほどのさとう餅ば、どこがらが手に入れでもって来たっけど。
「おうしぇ、待でぁ。おうしぇ、待でぁ。」(おーい、待て!おーい、待て!)と化物は男ばよばっだっけど。
男は化物の声聞いで、「なんだ化物、殺気の知恵競べで負けでは、とっくに逃げだどおもったけじゃ」と、言ったけど。
「なにほざぐ、このずほ(嘘)こぎ化物。ほれ、お前の嫌いなさとう餅だぞ」と言うと、さとう餅ば、どんどん男の方さ、ぶって(投げて)よこしたっけど。
、
男は「おかなぇちゃ、おかなぇちゃ。痛だえちゃ、痛だえちゃ。」
て言うて、こそっと、「んまえ(旨い)、んまえ。」て、さとう餅食ったけど。ほうすっど、化物ぁ、
「この野郎、まだ生ぎっだが、ヤロウどご、生かしでおがんなぇ。」
て、まあだ、さとう餅、「どんどん」ぶって(投げて)よごしたけど。
ほんで、男ぁ、食うたてらんなぇ(食べきれない)、さとう餅ば、ふところさ一杯へっで(入れて)家さ帰ってきたけど。」
次の朝間、早く、男は峠さいってみだけど。
ほしたら、ほれごそ、おっけくて(大きくて)、おっけくて、見だごどもなえよな、大けな茸(きのこ)、道一ぱえなて、「びちゃっ」てつぶっでいだけど。ほして、菅笠よりも、唐傘よりも、大けな茸、一面穴あえっだけど。
「こりゃ、たまげだもんだ。ゆんべ(昨晩)の化物ぁ、茸の化物だけながぁ。」
て、穴あえだ茸、「はけご(籠)さ、一杯へっで(入れて)背負って来たけど。
ほして男は、「はぁあ、化物ぁ、鰊キライいて言うけ、どれ、んだら鰊へっで、煮で食うべ。茄子キライって言ってだっけがら、茄子へっで煮で食うべ」って、大きな鍋でキノコ汁作って、村の衆と一緒に「化物汁」腹一杯、ごっつぉなたけど。
村の衆もたいへん喜んで、んまぐで(旨い)、んまぐで、べろ(舌)おっかけでいぐし、峠の道も安心してとおるごどできる。
男は鼻高々、村の長者の娘の婿さおさまって、すえながく幸せにくらしたけど。。
とんぴん、すかんこなえけど。